スタッフコラム

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Staff column
2020.06.17
足関節捻挫のリハビリテーション

今回はスポーツ外傷として代表的な『足関節捻挫』について、当院で提供しているリハビリテーションの一部をご紹介します。

  1. どのような障害か(病態、症状)

〈病態〉

足関節捻挫とは、スポーツ現場や日常生活の中でも受傷しやすい障害の一つです.

足関節底屈位(つま先を倒す)もしくは背屈位(つま先を起こす)での内がえしおよび内反強制(内側にひねる動作)によって生じます.

受傷時の損傷組織は、前距腓靭帯や踵腓靭帯、長腓骨筋、二分靭帯など足関節の外側に位置する組織が主です.(図1)

一度足関節捻挫し、いつか治るだろうと医療機関を受診せずそのままにしていると再発率も高くなると言われています

 

図1:前距腓骨靭帯と踵腓靭帯の位置関係(文献3より引用)

〈原因〉

主にスポーツ活動中では、バランスを崩した状態での着地や切り返し動作時、接触プレー中には他人の足の上に乗った状態で着地してしまい受傷することが考えられます.

日常生活の中では、段差につまずくことや転んでしまうことなども考えられます.

〈症状〉

外果(外くるぶし)の前や下方の腫脹や熱感、疼痛などの炎症症状のほか、関節可動域、筋力/筋機能低下、バランス機能低下などの症状が生じます.

重症になると内出血や地面に足をつくだけで痛みが生じる場合もあります.

好発しやすいスポーツ:バスケットボール、サッカー、バレーボール、陸上競技、器械体操など

2.  診断・治療

〈診断〉 診察、問診、X線、エコーなど

〈治療〉

一般的には保存療法が選択されます.

受傷直後はまず炎症を抑えることが大切であり、一般的に多く実施されているRICE処置(R:安静、I:冷却、C:圧迫、E:挙上)を行います.

重症度によって異なりますが、ギプスやサポーター固定を行うこともあります.ただしギプス等で固定をしている期間であっても患部外(体幹/股関節/足趾)の運動は実施します.

足関節捻挫は再発率も高いため、バランストレーニングや患部外のトレーニングも大切です.

3.  リハビリテーションの実際

〈痛みの軽減〉

しっかりと炎症兆候や疼痛除去のためRICE処置、ギプスまたはサポーターによる固定の実施

固定下の状況でも足趾屈伸運動、体幹や股/膝関節周囲など患部外の筋力訓練(図2)

ここでは患部外の筋力訓練の一つとして股関節外転運動を記載しています.

  図2:股関節外転運動

・上半身と下半身はなるべく一直線上になるように意識

・つま先は天井ではなく、下に向けるよう意識

・足を上下に動かす

 

〈可動域と安定性の改善〉

実際に装具除去されてからは疼痛有無に配慮し、十分な足部の可動域や筋力の回復(図3)、再発予防としてバランストレーニングを実施します

 図3:足関節周囲筋強化

・ゴムチューブやタオルを用いて行う

・小趾側から動かすように意識

 

4.  最後に

患者様によって、機能障害(関節の動きが悪くなっている、筋力が発揮できないなど)を起こしている部位は様々であり、個人差があります。

このページで紹介しているリハビリテーションプログラムのみでは症状が改善しない場合があります。症状が改善せずにお困りの方は是非ご受診していただき、リハビリテーションを受けていただくことをお勧めいたします。

当院のリハビリテーションでは患者様一人一人をセラピストが丁寧に評価をして患者様にあった治療プログラムを作成いたします。

文責:リハビリテーション科  理学療法士 畠山 穂純

引用:

1)山下敏彦ほか:スポーツ障害のリハビリテーション. 金原出版株式会社. 2014

2)小林 匠:足関節捻挫の病態と治療.日本アスレチックトレーニング学会誌. 2018

3)片寄正樹:足部・足関節理学療法マネジメント.メジカルビュー社.2018