スタッフコラム

スタッフコラム

Staff column
2020.07.07
肩関節腱板断裂のリハビリテーション

  1. どのような障害か(病態・原因・症状)

腱板とは

肩関節の動きを安定させるために肩甲骨と上腕骨を繋ぐ”4つの腱”の総称です。

 

<病態>

中高年に多く、上腕骨(腕の骨)と肩甲骨を繋ぐ腱(腱板)が断裂してしまい、肩の痛みや動きの障害につながる疾患です。

腱板は腕を動かす際に肩関節の面と面がずれないように保つ役割を担っており、損傷や断裂によって動かす時に痛むなどの支障が起きる事がしばしばです。また症状によっては手術が必要なケースも少なくありません。

<原因>

腱板断裂の原因は腱板の周りから影響を受ける「外的要因」と腱板そのものの問題である「内的要因」が合わさり発症してしまうと考えられています。

外的要因

  • インピンジメント症候群
  • 肩や上腕骨の骨折後
  • 転倒などの外傷
  • スポーツや職業柄の反復動作による負担増加

内的要因

  • 腱内の血流低下
  • 加齢による腱の耐久性低下(変性)
  • 腱の炎症

<症状>

症状は様々であり、痛みや動きに影響がない事もあります。

以前の記事 「肩関節周囲炎」に似たような症状も呈します。

肩関節の動きが制限されて、髪を洗う、服を着替えることが困難になることがあります。(運動痛)

痛みが強くなると、夜間の寝返りや姿勢によってズキズキ痛み寝られなくなってしまうもあります。(夜間痛)

また、凍結肩(ガチガチに固まってしまういわゆる拘縮肩)、変形性肩関節症、石灰沈着性腱炎なども合併する事もあります。

 

  1. 診断、治療

<診断>

各種腱板の筋力チェックやそれに伴う痛み、動きなどを確認します。

また、上記の診断以外にも画像診断も広く行われます。

  • 単純X線(レントゲン)
  • MRI
  • 超音波(エコー)

などが行われます。

 

<治療>

治療に関しては「保存的治療」と「手術による修復」に分けられます。

保存的治療

  • 内服
  • ステロイドなど関節内注射
  • ヒアルロン酸注射
  • リハビリテーション

を中心に痛みの軽減や動きの改善を図っていきます。

 

手術による修復

手術が適応になる条件として

  • 夜間の痛みや動かした時の痛みが強い
  • 日常生活に支障をきたしてしまう動きの制限、筋力低下がある
  • 保存的治療の効果が不十分で

などの条件が挙げられます。

※手術は当クリニックでは行われておりません。提携先の病院で手術を受けていただき、その後当院でリハビリテーションを行う流れになります。

 

手術の種類

  • 骨棘と呼ばれる部分の除去
  • 断裂した腱板同士を縫い合わせる

 

  1. リハビリテーションプログラム

肩関節周囲炎同様のリハビリテーションプログラムを実施しております。

また、術後の場合は術後期間に合わせて定められたリハビリテーションプログラムを実施しております。

※状況によってリハビリテーションプログラムは臨機応変に変更させていただいております。

 

 

【 最後に 】

患者様によって、機能障害(関節の動きが悪さ、筋力が発揮できないなど)を起こしている部位は様々で個人差があります。

このページで紹介しているリハビリテーションプログラムのみでは症状が改善しない場合があります。症状が改善せずにお困りの方は是非ご受診していただき、リハビリテーションを受けて頂くことをお勧めいたします。当院のリハビリテーションでは患者様一人一人をセラピストが丁寧に評価をして患者様にあった治療プログラムを作成いたします。

 

文責:リハビリテーション科 理学療法士 渡部晃大

 

 

参考文献:

  • 末永直樹ほか 肩関節再建術―腱板断裂、肩関節不安定症の治療戦略―
  • 理学療法Vol32,No3 2015
  • 肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン