スタッフコラム

スタッフコラム

Staff column
2020.07.21
シンスプリントのリハビリテーション

このコラムでは当院で多い疾患に対してのリハビリテーションプログラムの一部をご紹介します。今回はシンスプリントです。

  1. どのような障害か(病態・原因、症状

『シンスプリント』とは

陸上競技の中・長距離の選手やサッカー、バスケットボールなどの走ることの多い競技の選手でみられます。中学生、高校生の選手に多くみられ、特に新人選手に発生することが多いです。ランニング動作などで疲労がたまった時に発症しやすく、スネの内側に痛みの起こる障害です。(図1)

 

図1:シンスプリントの障害部位

 

症状:

運動時および運動後にスネの中央からスネの内側の下1/3を中心に縦長の範囲で痛みがおこる障害です。脛骨過労性(疲労性)骨膜炎とも呼ばれていました。ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋などのふくらはぎの奥にある筋肉や筋膜の繰り返し加えられる牽引ストレス(引っ張られるストレス)による脛骨(スネの内側の骨)の骨膜の炎症です。

症状として、初期はスポーツ後の上記部位の違和感ですが、症状が進行すると疼痛のためスポーツ活動が困難になり、重度になるとうずくような安静時痛が続くこともあります。

同部位に限局した強い痛みが続く場合は、疲労骨折との鑑別が必要です。

痛みが続く場合は早めに病院を受診しましょう。

 

原因:

下記の要因が発生要因として考えられています。

  1. ランニングの量や質の急激な変化(初心者の走り始め、走りこみが増えた)
  2. 扁平足、回内足などの障害の発生しやすい足の形
  3. 足関節やその他関節の柔軟性低下や下腿の筋力低下
  4. 足部の疲労による衝撃緩衝能力の低下
  5. 固いグラインドや路面での練習
  6. すり減ったかかとや、クッション性の悪いシューズの使用

など

 

2.診断、治療

画像診断:レントゲンでは異常所見はみられません。超音波エコー、MRIなどで炎症所見を認めることがあります。

 

治療:

痛みが強い場合は慢性化を避けるために運動量を減らす必要があります。アイシングや外用薬の使用、炎症を軽減させる目的の物理療法やストレッチング、運動療法などのリハビリテーションを行います。足底板も効果的で、クッション性が良く踵が安定したシューズを選ぶことも大切です。当院ではインソール作成、フットプリントを利用した足部の評価も行なっております。

 

 

3.リハビリテーションプログラム

シンスプリントでは、痛みを誘発する原因を見極め、痛みの程度に応じたリハビリプログラムを実施することが大切です。

 

シンスプリントのリハビリテーションプログラムとして

  1. 患部の痛み、炎症の軽減
  2. 足部の可動域や安定性の改善
  3. 影響を与える関節の可動性や安定性の改善
  4. 姿勢、動作の改善

を行なってゆきます。

 

患部の痛み、炎症の軽減

超音波などを使用して患部の炎症軽減を図ります

 

足部の可動域や安定性の改善

ヒラメ筋のストレッチ          タオルギャザー(足底の筋力強化)

③影響を与える関節の可動性や安定性の改善

 

 

股関節前面のストレッチ           ハムストリングスのストレッチ

 

④姿勢、動作の改善

ジャンプ動作やランニング動作など、原因となりえる動作をチェックして、実際のスポーツ復帰に向けての準備をしていきます。

 

【最後に】

患者様によって、機能障害(関節の動きが悪くなっている、筋力が発揮できないなど)を起こしている部位は様々であり、個人差があります。

このページで紹介しているリハビリテーションプログラムのみでは症状が改善しない場合があります。症状が改善せずにお困りの方は是非ご受診していただき、リハビリテーションを受けていただくことをお勧めいたします。当院のリハビリテーションでは患者様一人一人をセラピストが丁寧に評価をして患者様にあった治療プログラムを作成いたします。

 

文責:リハビリテーション科 秋山 亨

引用:

日本整形外科学会 パンフレット

増田雄一,他:ランニング障害のリハビリテーションとリコンディショニング,文光堂,2012.

八木一重:『脛骨過労性骨障害に対する理学療法の考え方』臨床スポーツ医学 増刊スポーツ障害理学療法ガイド,文光堂,2014.